インナーゲームは、1970年代にティモシー・ガルウェイというテニスコーチが考案した画期的なメンタルトレーニングメソッドです。

要約すると、「頭で考えたとおりに体を動かすことを試みるのではなく、できるかぎり体に動きを任せよう」というものです。

ガルウェイは、「make it happen」ではなく、「let it happen」と表現しています。この違いがおわかりになるでしょうか?

「let it happen」という表現は、「ゾーン」体験の本質を鋭くついています。

子供のころ、私たちが何かの動作を学ぶときには、それをあまり考えることはありません。とにかく体を動かすのみです。ところが大人になると、本来、体だけで十分に対応できるようなことまで、頭がしゃしゃりでて、余計なことを考えたりするので、結果的に、その動きを自然なものでなくしてしまいます。

例えば、テニスでバックハンドボレーの技術を習得しようとする場合、普通は、コーチからの指導や本で読んだことを、頭で理解し、それをマニュアルどおりに実行しようとします。しかし、往々にして、本に書いてある通りにバックハンドボレーが決まることはありません。あっても、何回に1回です。

インナーゲーム理論は、本に書いてある通りに忠実に行おうとする「頭」が、本来自由な動きができる「体」を邪魔してしまうことによって、技術習得をより困難にしている、と主張しています。

baseball-1505036_640「体」は自分が見て、感じたイメージのまま動こうとしているのに、「頭」は「腕を伸ばせ」「右足に重心を移せ」などと「体」に細かく注文を出してしまいます。その細かな注文が、「体」の自然な動きを妨げる、というわけです。

このメソッドを紹介した書籍『新・インナーゲーム 心で勝つ!集中の科学』」は、世界的なベストセラーとなり、今でも多くのスポーツコーチに読まれています。そして、このメソッドを極めてトップアスリートになった選手も大勢います。

インナーゲームをマスターすると、あなたのスポーツ体験は変わります。信じられないようなパフォーマンスが発揮できるようになるだけでなく、実力・技術も向上します。なかなか習得できない技術にいらいらすることがなくなり、試合本番で「let it happen」が可能になるのです。

「let it happen」ができるときというのは、最高の力を発揮させる「ゾーン」体験に非常に近いものです。思考を最小限にすることで、直感と本能が最大限に発揮されます

ただ、実際には、ほとんどのアスリートが、このメソッドを習得できずに挫折しています。メンタルコーチの多くも、「インナーゲーム」の理論は素晴らしいが、現実的に習得するのは難しい」と批判しています。

理由は簡単です。ほとんどのアスリート・コーチが、「頭」中心の「思考」から抜け出せないからです。このような批判も「頭」で起こっているというのが皮肉な話です。

rugby-573459_640インナーゲームを習得するには、事前に地道なメンタルトレーニングを通して、「体」中心の「感覚」へ移行できていなくてはいけません。そうでないと、インナーゲームを実践して、思うようにプレーができなかったり、技術が習得できないときに、「頭」がその「理由」を探し始めてしまうのです。

「ほら、やっぱりこんなんじゃダメだよ」って。

メンタルコーチの指導を受けながら、長期的なメンタルトレーニング計画のなかで、インナーゲームに取り組む「順番」を変えてやると、インナーゲームを習得できる可能性が一気に高まります。

過去にインナー・ゲームを諦めてしまった人も、このサイトをよく読まれた上で、是非、もう一度トライして下さい。インナー・ゲームはあなたのスポーツ体験を大きく変えます!