これであなたもゾーンに入る!お勧めのメンタルトレーニング方法

スポーツに真剣に取り組んでいる人であれば、誰でもゾーンに入ることはできます。

ゾーンは決して「異次元体験」ではなく、これまでの練習や経験の中で積み重ねてきた「真の能力」を100%発揮している状態だからです。

ゾーンに入っているとき、あなたの能力は、直感的・本能的に発揮されています。しかし、あなたの直感や本能を邪魔しているのが「余計な思考」です。

このページで紹介しているゾーンに入るためのメンタルトレーニングは、この余計な思考を静めるために有効な方法です。

試合中の考えすぎを自認しているアスリートにとっては、特に役に立つはずです。ぜひ参考にしてください。

ゾーンに入るためのメンタルトレーニングの進め方

大事な試合や大会で、ゾーンに入り、自分の持っている最高の力を発揮したい…。

では、大きなプレッシャーのかかる場面で、ゾーンに入るためには、どんなメンタルトレーニングが効果的なのでしょうか。

それは、言葉に頼らないメンタルトレーニングです。

なぜなら、ゾーン体験は、あなたの技能を「直感的」「本能的」に発揮できている状態です。これまでのゾーンに入ったときのことを振り返ってみて下さい。その最中には、余計な「言葉」や「思考」はなかったはずです。体が本能的に動いていただけです。

ゾーンに言葉は要りません。いや、それどころが邪魔になります。

極論すれば、ゾーンに入るメンタルトレーニングとは、「直感」や「本能」を鍛えるトレーニングです。そして、このトレーニングの最大の特徴は、できるだけ「思考」や「言葉」に頼らないことです。とはいえ、全く使わないというのではなく、あくまでもバランスが重要です。

現在主流のメンタルトレーニングは、言葉を使った「頭」中心の思考系メンタルトレーニングです。

反対に、言葉をできるだけ使わない「体」中心の感覚系メンタルトレーニングが、ゾーンに入るメンタルトレーニングです。 これこそ「直感」や「本能」を鍛える秘訣です。

この後に紹介するメンタルトレーニングのほとんどが、この感覚系メンタルトレーニングなのです。

それではひとつひとつ見ていきましょう。

ヨガ・座禅・瞑想

今では、多くのアスリートが、ヨガ・座禅・瞑想を取り入れています。私がこのサイトを開設した2006年の頃には信じられないくらい、ヨガや瞑想を行うアスリートは圧倒的に増えています。

ヨガ・座禅・瞑想は、昔から伝わる精神修行ですが、これらに共通することは、気持ちを静め、姿勢と呼吸を整え、イメージや身体感覚などに意識を集中することです。

silhouette-2512805_640ヨガ・座禅・瞑想は、アスリートにとってゾーンに入りやすいメンタルトレーニングであることは間違いありません。集中力やイメージ力の強化に、必ずつながるといえるでしょう。

しかし、全てのアスリートに、今からゼロから始めることを勧めるかというと、正直、ためらいます。

というのも、ヨガや瞑想にしてみても、様々な流派があり、いったいどれが良いのか、素人では判断ができないところもあります。

また、これらのテクニックで、うまく集中できているかどうかは、主観的な評価に頼らざるを得ません。

相性の良い指導者が見つかれば理想ですが、忙しいアスリートが、いつでも・どこでも・自分一人で実践するには難しく、そこがマイナスポイントです。

もし始めるとしたら、まずは最低でも教室に入ること、できれば個人レッスンを受けることをお勧めします。

なお、座禅や瞑想に比べると、ヨガは体を動かすことで、柔軟性とバランスを鍛える効果もあります。アスリートよりもむしろ、忙しい社会人にお勧めしたいトレーニングです。

自己暗示・催眠・セルフトーク

セルフトークとは、自分自身に「やればできる」「俺は天才だ―」「集中、集中」などと語りかける(ひとり言をいう)ことで、自分自身にそのような状況に入るように暗示をかけ、悩みや迷いを追い出すテクニックです。

一昔前、プロ野球の桑田真澄投手が、ボールにぶつぶつと話しかけることで話題になりましたが、これも一種のセルフトークといえます。

言葉を使ったセルフトークに対して、自分が成功しているシーンをイメージする方法もあります。

runners-635906_640自己暗示・催眠とは、自分に暗示をかけ、徹底的にポジティブな自分に浸り、マイナス思考やネガティブ感情を追い出す方法です。実際、メンタルコーチの多くが、この暗示催眠系のテクニックを使っていて、その代表的なものがNLPです。

暗示・催眠の良い点は、非常に即効性があるということです。ですから、今、本当にどつぼにはまっているものの、明日、試合で結果を出さなければならない!というアスリートは、暗示・催眠系のカウンセリングは、選択肢のひとつになるでしょう。

もしあなたが、本当に暗示にかかりやすければ、短期間で成果を上げられるようになることもすくなくありません。

実際にパフォーマンスが上がる場合もありますし、それほど上がらなくても、結果をポジティブに受け取るようになれるのです。それだけでもしめたものです。

さらには、イップスやトラウマを克服できたと報告する人も少なくありません(実際に軽度のイップスやトラウマであれば、催眠効果は実証されています)。

近年になって、暗示・催眠になぜかかるのかについて、少しずつ脳科学が解明するようになってきました。

それでわかってきたのは、イメージや言葉によって、左脳の一部を休ませることで、批判や評価といったものが抑制されます。そして、その状態で新しい考えを注入するのです。そうすると、その考えを無批判で受け入れ、自分のものとし、一瞬で、ポジティブな思考や、できる自分(自信)を取り戻すことができるのです。

暗示・催眠は、集団でやると、さらに効果が高まります。>> 団体競技向け

反面、世の中には、暗示・催眠にかかりにくい人(被暗示性が低い人)も多く、そのようなタイプのアスリートにとっては、暗示のテクニックは、とても白々しく感じ、冷めてしまいます

football-461340_640自己暗示・催眠は、暗示のかかりやすい人にとっては、とても強力なゾーンに入るメンタルトレーニングになりますが、脳を操作し、一時的な気持ちの変化をもたらすに過ぎないので、時間が経つと、効果は薄れてしまいます。

ですから、大事なことは、その暗示がかかっている間に、より永続的な変化につながるような、技術トレーニング・思考トレーニングなどに取り組むことです。

また、暗示のかかりやすい人は、マイナスの暗示をしてしまうことが往々にしてあります。「俺はいつもダメだ」「ほら、やっぱり三振した」「このホールではいつもOBを打つ」とかのネガティブなセルフトークを、気づかずに、いつの間にか繰り返してしまうのです。

さらには、「1カ月でシングルになる方法」とか、「お金持ちになるための魔法の○○」などというにわかには信じられない電子書籍やセミナーなどで大金を払ってしまうのも、暗示がかかりやすい人の特徴です。

イメージトレーニング

イメージトレーニングには多くの種類がありますが、そのうちのひとつでは、競技の前に、静かに目を閉じたままで、その競技を行っている自分の姿を、頭の中でイメージします。

ゾーンに入るメンタルトレーニングにおける、このイメージトレーニングの目的は、「デジャビュ(既視体験)」を起こすことです。これが成功すると、ゾーンに入れる割合がぐっと高まります。

デジャビュとは「既視体験」という意味で、「前にどこかで体験したかも」という感覚です。本番前に、イメージトレーニングを行うことによって、本番で「デジャビュ」を起こりやすくさせるのです。

ski-race-2240476_640例えば、競技スキーの選手が、大会の本番前にイメージトレーニングを行うことで、競技中に「デジャビュ」を感じることができれば、次のターンへの「迷い」を追い払うことができます。なぜなら、その「デジャビュ」では、パーフェクトの滑りができていたのですから。

1984年のロス五輪、体操の個人総合金メダリストである具志堅幸司選手は、決勝の会場へと向かうバスの移動中に、全ての競技を頭の中で完璧にイメージしたそうです。すると、自然と「日の丸」が一番高いところに高揚されているイメージまでもが浮かんできて、バスの中で涙を流したという逸話が残っています。

NHKドキュメント 『スポーツ大陸/金メダルへのイメージトレーニング』より

また、試合前にイメージトレーニングを行うことによって、バスケットボールの選手が「デジャビュ」を感じることができれば、相手選手の動きに対して、「迷い」を生じさせることなく、機敏な対応が可能になります。 実際に、シカゴ・ブルズの黄金期を築いたカリスマ・ヘッドコーチであるフィル・ジャクソンは、選手に対して、この「デジャビュ」を起こすためのイメージトレーニング(視覚化訓練)を指導していました。


basketball-440057_640BJ・アームストロングやスコティー・ピッペン、そして他の選手たちも、ゲームの前に視覚化の訓練をしている。「ゲームの前に2-30分間時間をとって、これから起こることを視覚化すると、頭の中で一度見ているので、考えることなく反応できるんだ。ゲームの前、横になっていると、自分がシュートしたり、ボクシング・アウトしたり、ルーズボールをとったりしている姿が見えるんだ。だから、それからゲーム中に頭の中で一度見たことが起きた時、考えないで行動できるんだ。考え直すことも躊躇することもない。時々、ゲームの中で、「やった、あれは見たぞ!実際に起きる前に予想したんだ!」と思うことがある」とアームストロングは言う。

『シカゴ・ブルズ 勝利への意識革命』 フィル・ジャクソン(PHP研究所)


この「デジャビュ」のためのイメージトレーニングは、ゾーンに入るにはかなり有効です。なぜなら「デジャビュ」と「ゾーンに入っている体験」は、かなり近いものだからです。このイメージトレーニングを習得してこそ、ゾーンが近づいてくるのです。

ただ、このデジャビュを起こすためのイメージトレーニングは、とても難しいのです。理由はいくつかあります。継続が必要なのに、トレーニングは退屈でマンネリ感があること。 多くの場合、イメージ通りにならず競技中にミスを起こしてしまうこと。自己流でイメージトレーニングを始めた人のほとんどが、これらのカベを打ち破ることなく、イメージトレーニングを挫折してしまうのが実情です。

超一流選手のイメージトレーニングをそのまま真似してはいけない

イメージトレーニングは、自己流で効果を上げることが非常に難しいトレーニングです。

イメージトレーニングを効果的に行う場合は、専門のメンタルコーチの指導を受けられることを強くお勧めします。メンタルコーチは、趣向をかえて、あなたに様々なイメージ課題を与えていきます

なお、イメージトレーニングを行う際にも、レゾナンスが大きな鍵を握っています。レゾナンス状態で行われたイメージは、ポジティブで記憶に残りやすいのです。イメージトレーニングはレゾナンス状態、もしくはレゾナンスで準備してから行えるようになることが大切です。

オリジナル・ルーティン

イチローはアメリカでは「ルーティン・マニア」と呼ばれているのをご存知でしょうか?

イチローはそれだけでなく、試合前に人一倍ストレッチングに時間をかけたり、試合後に入念にマッサージを受けたり、バットやグラブを特別丁寧に扱うことでも有名です。イチローの強靭な精神力の大きな理由のひとつが、彼の行う「ルーティン」にあります。

イチローほどの天才でも、結果が出ない時期が続けば「迷い」が生じます。「迷い」は心の隙間に入ってくるものです。「迷い」は、ゾーンに入るための本能的・直感的プレーの大敵で、この隙間を埋めるものが「ルーティン(決まりごと)」なのです。

「迷い」は雪だるまのように自然に膨らむ性質を持っていて、これが厄介なのです。

baseball-field-1081692_640ルーティンは、一つだけではありません。試合前・試合中・試合後・練習中、それどころか、日常生活にいたるまで、状況別に数多くのルーティンを作り上げることが、余計な「迷い」に打ち克つための秘訣です。よく知られていますが、イチローは、日常生活でも、数多くのルーティンを持っています。最近では辞めたそうですが、毎日カレーを食べたり・・・。

ほとんどのアスリートがルーティンのようなものを持っています。しかし、本当に信頼できるルーティンを作るためには、単にルーティンを決めるだけではだめです。それを試合中も、練習中も、同じように行えるようになること、そして、いつでもレゾナンス状態で行うことが大切なのです。

あなたのオリジナル・ルーティンを確立することで、好調・不調に左右されることなく、常に精神状態を一定に保つことができるようになり、それがゾーンに入る確率を高めてくれるのです。


vision54良いショットと悪いショットにはどのような違いがあるのだろう?ほとんどの場合、それは単に自信の差だ。その自信を高めるにはどうすればいいのだろう?信じられるルーティンを身につければいい。人はそれほど自信を失いやすいものなのだろうか?そのとおり。これは人生のあらゆる場面でも同じことが言える。

『ゴルフ ビジョン54の哲学 楽しく上達するための22章』
ピア・ニールソン&リン・マリオット ランダムハウス講談社


オリジナル・ルーティンは、非常に強力なゾーンに入るためのメンタルトレーニングですが、「迷信行動」や「ジンクス」と混同されているケースが目立つのが実情です。

迷信行動とは、大事な試合では赤いウェアを着る、試合会場に入るときには右足から入る、ゲルマニウムブレスレットをはめる、などです。

これらの迷信行動も、それなりの「暗示効果」はあり、迷いが生じるのを防ぐことに多少はつながります。しかし、それほど多くの効果を期待することはできません。

赤いウェアを着ることで勝ったとしても、それは「暗示効果」か「偶然」に過ぎません。医学・心理学用語でいえば、「プラセボ(偽薬)効果」です。何の努力もしていないのですから。

オリジナル・ルーティンは、ゾーンに入る「必然」を作り出すためのトレーニングです。

残像イメージ法

残像イメージ法では、目の前の光景を、そのまま瞼に焼き付けるように記憶して、いったん目を閉じて、その景色を、できる限りリアルに、強く、鮮明に、イメージで思い出すようにします。

例えば、建物をを残像イメージする場合には、その建物は何階建てで、いくつの窓があるとか、ぱっと見て記憶した残像イメージから、答えられるようになったら最高です。

また、別の残像イメージ法では、ある色に注目します。例えば、電車の中を見渡して「赤」を探します。そのあと、目を閉じて、電車のどこに、どんな赤があったのかを思い出すのです。

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この残像イメージ法を、独自のカードなどを使って提案しているのが、高岸弘氏のRCT残像トレーニングですが、特徴的なカードを使うことで、暗示効果も狙っているようです。イメージ初心者にとっては、とっつきやすい方法だと思います。

残像イメージ法を実際にやってみるとわかりますが、細かいところまでしっかりとイメージする(頭の中で描けるようになる)には、かなりの集中力が求められます。実は、この視覚イメージへの意識集中こそが、余計な不安や雑念を排除してくれるのです。

何度もこのサイトでは説明しているとおり、繰り返しの練習によって習得された技術は、あまり考えなくても、本能的に発揮されます。それどころか、余計な思考や雑念が、本来の動きを邪魔してしまうのです。だから、その余計な思考や雑念が入らないようにすることが、大切であり、残像イメージに強く意識を向けることが効果的なのです。

s-GV075_L残像イメージ法は、イメージ初心者にとっては、始めやすく、効果も感じやすい方法ではありますが、人間には、同じレベルのことをやっていると「飽きてしまう」のと、「慣れてしまう」という習性があります。

この二つを回避するには、段階的に難易度を上げることが必要なのですが、残像イメージの場合、それが難しく、ここがマイナスポイントです。

本格的なイメージトレーニングを求めるアスリートにとっては、少し単調で、物足りないものとなってしまいます。

インナーゲーム

インナーゲームは、1970年代にティモシー・ガルウェイというテニスコーチが考案した画期的なメンタルトレーニングメソッドです。

要約すると、「頭で考えたとおりに体を動かすことを試みるのではなく、できるかぎり体に動きを任せよう」というものです。

ガルウェイは、「make it happen」ではなく、「let it happen」と表現しています。この違いがおわかりになるでしょうか?

「let it happen」という表現は、「ゾーン」体験の本質を鋭くついています。

子供のころ、私たちが何かの動作を学ぶときには、それをあまり考えることはありません。とにかく体を動かすのみです。ところが大人になると、本来、体だけで十分に対応できるようなことまで、頭がしゃしゃりでて、余計なことを考えたりするので、結果的に、その動きを自然なものでなくしてしまいます。

例えば、テニスでバックハンドボレーの技術を習得しようとする場合、普通は、コーチからの指導や本で読んだことを、頭で理解し、それをマニュアルどおりに実行しようとします。しかし、往々にして、本に書いてある通りにバックハンドボレーが決まることはありません。あっても、何回に1回です。

インナーゲーム理論は、本に書いてある通りに忠実に行おうとする「頭」が、本来自由な動きができる「体」を邪魔してしまうことによって、技術習得をより困難にしている、と主張しています。

baseball-1505036_640「体」は自分が見て、感じたイメージのまま動こうとしているのに、「頭」は「腕を伸ばせ」「右足に重心を移せ」などと「体」に細かく注文を出してしまいます。その細かな注文が、「体」の自然な動きを妨げる、というわけです。

このメソッドを紹介した書籍『新・インナーゲーム 心で勝つ!集中の科学』」は、世界的なベストセラーとなり、今でも多くのスポーツコーチに読まれています。そして、このメソッドを極めてトップアスリートになった選手も大勢います。

インナーゲームをマスターすると、あなたのスポーツ体験は変わります信じられないようなパフォーマンスが発揮できるようになるだけでなく、実力・技術も向上します。なかなか習得できない技術にいらいらすることがなくなり、試合本番で「let it happen」が可能になるのです。

「let it happen」ができるときというのは、最高の力を発揮できるゾーンに入っている状態に非常に近いものです。思考を最小限にすることで、直感と本能が最大限に発揮されます

ただ、実際には、ほとんどのアスリートが、このメソッドを習得できずに挫折しています。メンタルコーチの多くも、「インナーゲーム」の理論は素晴らしいが、現実的に習得するのは難しい」と批判しています。

理由は簡単です。ほとんどのアスリート・コーチが、「頭」中心の「思考」から抜け出せないからです。このような批判も「頭」で起こっているというのが皮肉な話です。

rugby-573459_640インナーゲームを習得するには、事前に地道なメンタルトレーニングを通して、「体」中心の「感覚」へ移行できていなくてはいけません。そうでないと、インナーゲームを実践して、思うようにプレーができなかったり、技術が習得できないときに、「頭」がその「理由」を探し始めてしまうのです。

「ほら、やっぱりこんなんじゃダメだよ」って。

メンタルコーチの指導を受けながら、長期的なメンタルトレーニング計画のなかで、インナーゲームに取り組む「順番」を変えてやると、インナーゲームを習得できる可能性が一気に高まります。

過去にインナー・ゲームを諦めてしまった人も、このサイトをよく読まれた上で、是非、もう一度トライして下さい。インナー・ゲームはあなたのスポーツ体験を大きく変えます!

「考え方を変える」だけでは現状を打破できないと入塾した男子プロゴルファー

レゾナンス呼吸法

レゾナンス呼吸のやり方はとっても簡単です。

  1. 意識を心臓周辺に向ける
  2. 姿勢を良くする
  3. およそ5秒間隔で、吐くと吸うを繰り返す(計10秒)

たったこれだけです(笑)。

もちろん注意すべきポイントには個人差がありますが、たったこれだけで、私たちの心拍リズムは、レゾナンス(resonance)と呼ばれる望ましい精神生理状態に入っていきます。

そして、これだけで、アスリートの中には、「考えないで、感じる」を体験できる人も少なくありません。

なお、レゾナンス呼吸については、メンタルトレーニング石井塾の呼吸法特集ページでより詳しく解説しています(動画も準備中)。

https://ishii-juku.jp/category/mental/breathing/

レゾナンス呼吸だけでいつでもゾーンに入れるとは言いませんが、レゾナンス呼吸は、ゾーンの入り口まで、あなたを導いてくれる基礎的なテクニックです。この基礎の上に、感情のコントロールや、イメージを積み重ねていくことが大切です。

ところで、私がレゾナンス呼吸を強く推奨するのは、「簡単で効果的だから」だけではありません。誰もが、より確実に、このレゾナンス呼吸法を正しくマスターできる、信頼できるツールがあるからです。

それがエムウェーブPCというソフトウェアです。このソフトウェアを使うと、上記画像にもある心拍リズムを、リアルタイムで見ることができるのです。

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ですから、上手くレゾナンス呼吸ができているかどうかがわかるので、安心して続けられるし、継続してトレーニングする励みになります。

また、今ではスマホでトレーニングできる商品も出ています。

このようなツールをバイオフィードバックシステムといいます。このあとで解説しているバイオフィードバック訓練とは、このようなツールを使ったトレーニング方法をいいます。

バイオフィードバック訓練

バイオフィードバック訓練は、現在、海外の先進的なコーチに取り入れられているメンタルトレーニング方法で、「考えないで、感じる」を確実にトレーニングできる賢い方法です。

バイオフィードバックとは、心拍数・筋緊張・脳血流・脳波などを、センサーからパソコンに読み取り、リアルタイムで本人にフィードバックすることによって、自分の心と体の状態を正しく理解し、望ましい方向に修正するためのメンタルトレーニングです。例えば、大事な場面で緊張しすぎたり、考え過ぎてしまう人は、

– 肩に力が入る
– 心拍数が高くなる
– アルファ波が少なくなり、ベータ波が増える

といった身体変化が起こります。

バイオフィードバック法では、専用機器で、こういった身体変化を測定し、その数値やグラフをモニターなどに表示します。訓練者は、その数値を正常に戻すことで、緊張を正しくコントロールする方法を学ぶのです。

身近なバイオフィードバック訓練の例が、ニンテンドーWiiのWii Fit Plusというゲームです。この家庭用ゲームでは、バランスボードを使い、バランスという生体情報をフィードバックして、正しい姿勢やバランスを学習することができます。

このゲームをやったことがある方はわかると思いますが、バランスを取るときに必要なのは、「考えることではなく、感じること」ですよね??

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同じように、繊細で、微妙な身体感覚を、望ましい方向にコントロールするのに、言葉は何の役にも立ちません。

「落ち着こう」「平常心」と強く願っても、心拍数は減らないし、肩の筋緊張はとれないし、アルファ波もでないのです。

言葉や思考に働きかけるのではなく、呼吸や意識、イメージや身体感覚といったものを「微調整」することでしか、心拍数も、筋緊張も、脳波も、望ましい方向へ変化しません。その意味で、呼吸法とイメージトレーニングが大切になります。

「考えかたを変える」的なメンタルトレーニングの効果を実感できないアスリートにこそ、バイオフィードバックは有効です。言葉では自分に嘘をつくことができますが、体は嘘をつきません。

心のどこかに不安が残っていれば、それは必ず体に現れます。

バイオフィードバック訓練は、体に現れる不安の兆候を、完全に取り除くことで、心の不安を完全に払しょくするためのメンタルトレーニングです。

バイオフィードバック訓練を行うための装置は、かっては大がかりなものが多かったのですが、現在はITの進化によって、とても廉価でコンパクトになっています。レゾナンス呼吸のところで紹介したエムウェーブPCというソフトウェアは、パソコンに簡単にインストールでき、どこでもトレーニングができる、とても有効なツールです。

ちなみに、日本で輝かしい成績を残した宮里藍が、米ツアーに参戦後、とてもひどいスランプに陥ったとき、彼女のアメリカのメンタルコーチが、気持ちを切り替える方法を教えるために活用したのも、このエムウェーブPCです。

 機能の説明は6:30以降です