ニューロフィードバック訓練

ニューロフィードバック訓練とは、バイオフィードバック訓練のなかでも、特に脳波(EEG)を測定し、その変化やコントロールを目指すメンタルトレーニングです。

 

脳波に詳しくなくても、アルファ波やベータ波というのは聞いたことがあるかと思います。おおまかに言ってしまえば、上のイラストのようになるのですが、これ以外にも、集中しているときの脳波などが分かっています。

 

今、アメリカでは、数千人近くのカウンセラー・コーチが、このニューロフィードバックを採用しています。「薬を使わない」「副作用もない」方法として、注目を浴びてきており、主に、ストレス対処(リラクゼーション)、集中力・注意力の改善などに用いられています。

にわかに信じられないかもしれませんが、ニューロフィードバック訓練を繰り返すことによって、脳波はある程度はコントロールできるようになります。そして、それに伴い、ストレスやトラウマ、てんかん発作、注意欠陥などの症状が緩和するのです。

ニューロフィードバックは20年以上も前からありましたが、昔は、設備が大がかりであったことから、利用は、一部の研究機関に限られていました。今では、小型ワイヤレスの脳波計も登場しているので、その気になれば、誰もが簡単に、その競技の現場において、脳波を測定し、ニューロフィードバック訓練ができるようになっています。

実際、近年では、バンクーバー冬季五輪に向けた国家プロジェクトとしてのカナダ五輪チームや、伊サッカーチームの名門ACミランが、チーム全体で取り入れるなど、かなり積極的に取り入れているチーム・プロアスリートが増えています。

ゴルフの世界で例えると、オーストラリアの著名なメンタルコーチ、ノエル・ブランデルが、カリー・ウェブにニューロフィードバック指導を始めたところ、彼女は2011年に復活優勝を飾っています。

また、複数のライダーカップメンバーを指導するイギリスのメンタルコーチ、ジョン・ペイト氏も、ニューロフィードバックを採用しています。その動画がこちら。



しかし、今現在、日本でニューロフィードバックはほとんど浸透していません。その理由として、ニューロフィードバックに関する日本語の文献が少ないこと、指導者がいないことがあげられます。また、過去に脳波が「怪しい自己啓発セミナー」などで使われたことがあり、脳波が、信頼に足る、科学的なものと捉えられていない現状もあります。

ニューロフィードバックは、科学的な裏付けをもつ最先端のメンタルトレーニング技法であり、確実に「脳を変える」効果があります。

詳しくは「本番に負けない脳」という本に、わかりやすくまとまっていますので、興味がある人は読んでみてください。

私の考えでは、ニューロフィードバックは、長期間、安定したメンタル状態を保つことを求められるプロアスリートにとっては、安定した成績を残す、非常に強力な武器になります。プロゴルファー・プロ野球選手がやらない手はない、と思えるくらいです。

ニューロフィードバックを続けると、自然に、徐々に、脳が望ましい方向に変わっていきます。設定次第で、余計なことを考える脳を休ませることができるようになり、理想的な脳の準備状態を作れるようになるのです。

トレーニング自体はとても地道なものですが、感情コントロール・集中力向上・イメージ力向上などに効果を発揮するだけでなく、競技次第では、ゾーンのときの脳波の状態をトレーニングすることも可能です。

なお、日本でも、自分で脳波をコントロールできるようになるためのツールが市販されていますが、正直、あまりお勧めしません。